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第23回日本音楽療法学会学術大会でDCファシリテーションセミナーを開催しました。

9月1日(金)岐阜長良川国際会議場で第23回日本音楽療法学会学術大会が開催され、学術大会企画ワークショップとしてDCファシリテーションセミナーを行いました。


全国の音楽療法士が集うこの学会でドラムサークル・ファシリテーションのVMC基礎理論を紹介できたことはとても名誉なことでした。おかげさまで事前申込100席はすぐに満席となりました。


半年ほど前、菅田大会長と共に会場を訪れ、セミナーに最適な会場選びに立ち会わせていただきました。そして、90分2コマで出来るだけ効率よくドラムサークルの良さを伝えられるよう「人間の可能性を引き出すリズムケアギバー〜ドラムサークル・ファシリテーターの在り方〜」と題し、DCファシリテーションの基礎の基礎と、その応用の2部に分けたプログラムを作りました。


1部では、ファシリテーターの在り方を分かりやすくするためにセミナー用の名札を準備し、自然な流れの中、リズムでつながる・感じる時間を大切にしました。強制的に始まらないことの戸惑いを感じた方や日ごろのクライアント自閉症児に成りきってRPGで参加している方、不安や戸惑いから人とのつながりに気づく様子、徐々に表情が和らぎ笑顔があちらこちらで連鎖し始める様子、サークルの変化をいろいろな角度から分析している様子など、日ごろから人への関心が高い音楽療法士の温かい人間性に触れることができました。またその温かい人間性は、創り出されるサウンドにも表れていました。


2部では、100本のトーンチャイムを使った「リズムチャーチ」を行いました。リズムチャーチとはアーサー・ハルが考案したアンビエント系の小物楽器を中心としたセッションで、ベーシック研修ではインタラクティブ・ダイアログを学ぶ課程として設けられています。今回のリズムチャーチは、5月にアーサーが来日した際に共同改良したもので、私の独自プログラム「Unwind Your Mind through Rhythm(リズムを通して心身ともに解放しよう!)」とアーサーのリズムチャーチとを融合させた「新しいリズムチャーチ」でした。パルスやグルーヴなどリズム楽器の基本だけでなく椅子に座るというポスチャーからも解放され、ひとりひとりが持つ音楽のスピリットをただただ共有する時間となりました。そして、音が鳴り止んだ最後にもたらされた「静」の世界「無の音楽」を体験できる貴重なひと時となりました。


さらに、数週間前に突然レモ社のドラム販売ブースがキャンセルとなった知らせを受け、急きょ「VMCグローバルジャパン」として特別に土日の2日間ブース出展をすることになったことも大きな成果でした。大会本部の計らいで日曜日には、ブース会場から会議室へと移動し、音が漏れない環境でミニドラムサークルを何度も実施できたことも幸いでした。15分間のドラムサークルと15分間のおしゃべりタイムを基本とし、ドラムサークルでは、参加者がファシリテーションを自由に体験するジャンプイン形式を取りました。過去のVMC研修受講生、仲間を連れて訪ねてくれたセミナー受講生、セミナー申込みに間に合わなかった方、ドアから漏れる音に惹かれて入ってきた方など、たくさんの方々と出会う機会となりました。


最後に特筆すべきことは、このセミナーはたくさんの無償の愛に支えられていたことでした。この大きな企画に携わった素晴らしいVMCグローバルの仲間の存在なしでは成し遂げられませんでした。また、VMC理論を音楽療法の世界へ広めたいと大学や学会での研修の場を切り開いてくださった名古屋音楽大学猪狩裕史先生、その思いに賛同してくださった全国各大学の先生方、菅田文子大会長をはじめこの大会事務局の皆さま、100本のトーンチャイムをご準備いただいた地元の音楽療法士の皆さま、ブース出展までの楽器提供を急遽快諾してくれたおんがくやさん。そして、100人でのセミナーのためにレモ社の楽器と共に会場にきてくださった株式会社ヤマハミュージックジャパン高田祥子様。すべての皆さまのご尽力とご協力に心より感謝申し上げます。


これを機に人と人をつなぐリズムの輪がますます大きくなっていくことを願っています。

学び多き3日間と素晴らしいご縁をありがとうございました。

(記:トムトム)


©VMCグローバルジャパン すべての写真の無断借用は固くお断りします。


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