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<世界のDCFとつながろう!> ノルウェイ認定トレーナー ラルス・コルスタッドが再び登場です!

先日2月に行われたWEBクラスの後半です。ライブ参加する方には前半の動画を限定公開します。


※一般の方もライブ参加できるようになりました。但し、3日間ベーシック研修受講経験者に合わせた内容で、DCファシリテーションや音楽教育学の専門的知識がある程度必要です。


『音楽教育学ペタゴジーとDC 修士号取得のための研究より』

トレーナー:ラルス・コルスタッド(ノルウェイ)

内容:今回は以下の2つについて学びます。

・その時その場の音楽という即興性をハンナ・アーレントの「アクション」概念から考える。ドラムサークルはどのような方法で自由と民主主義のモデルであり表現となりうるのか。

 ・クリストファー・スモールと「音楽すること(Musicking)」:音楽の価値は各主体になるのではなく、主体の間に起こることである。従ってそれは「アクション(動詞)」として音楽することなのである。


シリーズものですが、前回の講座を受けていない方も受講できます。

※講座を受ける前に前回の講座「ミュージッキング(前半)」のアーカイブ動画を配信しますので、事前に視聴してください。


とき:2022年5月10日(火)午後8時半~10時

ベーシック以上の会員:無料  フレンズ会員:1,000円  一般:2,000円  一般学生:1,000円 ※すべて税込み 通訳:長江朱夏 進行:豊雅子 ライブ参加申込は、こちらから



ラルスは、持ち前のユーモア精神でいつも周りを明るく笑顔にさせます。彼は、音楽教育学ペタゴジーで修士号を取得し、ドラムサークルがなぜ教育現場で受け入れられるのかを長年実践を重ね研究してきました。今回は、彼の研究論文の一部を紹介するクラスです。ヨーロッパでは医学、教育学など多方面からのアプローチで様々な研究が進んでいます。今回は、ラルスのドラムサークルファシリテーターとしての在り方に、ZOOMを通して触れていただきたいと思います。


【プロフィール】 ラルス・コルスタード 1964年リレハンメルに生まれ、オスロで育つ。 幼少期から10代までロックバンドでドラムを演奏する。 20年代に俳優としてまたドラマーとしてツアーを実施。

88年にノルウェイの西、ベルゲンにうつり、93年に音楽教師として卒業する。専攻はリズム音楽教授法(RMP)。ウォルドルフ教室で93年から03年まで教室担当の教師として、また音楽教師として務め、さまざまな年代の生徒とともにRMPを実施し貴重な経験を積む。


03年にオスロで初めてのドラムサークルファシリテーションを行う。そこでミカエル・ケヒやアーサー・ハルと初めて出会う。その後すぐに教師をやめ、フルタイムのDCFとして活動を始める。ノルウェイ及び諸外国で10回以上のプレイショップを行い、その後ベルゲンでアーサーのプレイショップを6回主催する。2015年にハワイでVMC認定ドラムサークルファシリテータの資格を得る。17年にはスコットランドでVMC認定トレーナーの資格を得る。19年にノルウェイ、ボスでミカエル・ケヒと共に初めての全ノルウェイDCFプレイショップを共同主催する。


18年に音楽教育ペタゴジーで修士号を取得する。学位論文「あなた自身の思いのままに叩きなさい---コミュニティドラムサークル現象の研究」。98年からベルゲンで教育大学で音楽教授法を教える。


150以上の学校を回り、2776回のドラムサークルを行う。150の幼稚園をまわり1589回の子供用ドラムサークルを行う。精神障害を持つ人を対象とした170回のドラムサークルを実施する。また100回の高齢者向けドラムサークル、60回のリーダーシップ・チームビルディングを行う。さらに、コーラスやオーケストラ向けに30回のリズムセミナーを実施、30に及ぶコンサートおよび音楽作品のリーダーを務める。


スティーリー・ダンに捧げるバンド「スタンリー・ディー」でドラムを演奏する。


吹きガラス職人である妻のベーダと愛犬である大きなプードル、マケバと暮らしている。

読書を愛し、とりわけドラムを通じて人と知り合うことを愛している。



【WEBクラスの概要】

 コミュニティドラムサークルでは、間違った音はないとよくいわれるが、それが一体どのようにして可能なのか、そしてもしそれが本当であるとしたら、どうしてそれが実現するのかという問いが問われるだろう。私はドラムサークルファシリテーターとして何年も活動してきた。この論文では、ドラムサークルを実践的面および理論的なフレームワークに位置付けることによって、コミュニティドラムサークルを即興的グループ音楽を形成する一つの形態であることを明らかにしていきたい。

 また個人的な語りを通じて、ドラムサークルの内部にいるものとしての目を通して、ドラムサークルに関する理論的かつ哲学的考察を行う。このグループによる音楽作成の本質的な現象を明らかにするために、何種類もの理論的アプローチを行う。この論文の中で、最も中心的になる理論的アプローチは、ミハイ・チクセントミハイによるフロー理論である。この理論はドラムサークルという現象の中心を、特に音楽教育の領域において適切に位置づけ、理解するものとして、鍵となる適用性を持っていると考えるものである。


 この論文で問われるのは以下のような問いである。コミュニティードラムサークルをフロー理論によって考察することにより、音楽教育に関してどのような新しい知見が得られるのか?私自身の実践と理論を結合させるための肝要な知識として、補完的に次の3つのアプローチを採用する。まずオートエスノグラフィー[1] 、そして現象学およびナラティブ研究である。私自身のドラム演奏とのつながりに関する自伝的語り(ナラティブ)は方法論的手法として採用されている。

 この論文における議論を通じて間違った音を出すことがそもそもあり得ず、行動の目的が行動そのものである場合の音楽形成の潜在的効果を開拓したい。このことはまた、コミュニティドラムサークルが重要な平等化する性質を持っていることを示唆し、こうした形式でのグループミュージックが学校における音楽教育として非常に適切であることを示唆している。

[1] オートエスノグラフィーとは著者が自己消殺を用いて、個人的経験を精査し、自分の経験(ストーリー)のより広い文化的、政治的、社会的な意味を理解するための研究の形態である(Weblio英和辞典より)


 上記は学位論文の概要である。

 この概要は音楽教育の領域においてこのテキストで何が探求され、何が議論されるかを短くまとめているものである。

 この「講義」を通じて、ドラムサークルファシリテーションにおいて私自身が関心をよせ、的確であると考えている現象に焦点を当てていく。その中には

 ・フロー理論:フローという存在(経験)にとって特にドラムサークルが適しているのは何故か

 ・共同性、あるいは「集団としてのフロー」というエスターとビクターターナーによって提唱された概念、すなわち共有意識

 ・グルーブーグルーブとは何か。何がグルーブをリズムの集まり以上のものにしているのか。

 ・集団と個人:パルスとリズムを通して個人であり集団であること

 ・その時その場の音楽という即興性をハンナ・アーレントの「アクション」概念から考える。ドラムサークルはどのような方法で自由と民主主義のモデルであり表現となりうるのか。

 ・クリストファー・スモールと「音楽すること(Musicking)」:音楽の価値は各主体になるのではなく、主体の間に起こることである。従ってそれは「アクション(動詞)」として音楽することなのである。

 ・リズムに対抗するものとしてのリズム。この考えはオランダの音楽人類学者であるバーナード・クリステンによるものである。

 ・アルフレッド・シュッツの「関係への巻き込み」:同じ音楽に深く関与しているとき、その音楽が続く限り私たちは共に歳を重ねていく…。


会員になりたい方はこちらから https://www.vmcglobaljp.com/kaiin

ライブ参加したい方はこちらから https://www.vmcglobaljp.com/webclass (スクロールし、今年度の予定表からお申し込みボタンを押してください。)






















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